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やる夫が天下布武を目指すようです 第五話 「兄弟」

第五話 「兄弟」
362 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 20:58:12 ID:7p4FFZvc

第五話 「兄弟」

1557年(弘治3年)
やる夫の元に祝報が届く。

~生駒屋敷~
          . -─‐- 、
      /        \   イヤッホーーイ!
     / ̄       ̄   ヽ.
      / >    <     ハ,4L_  初めての息子の誕生だお!
     :  (_ , 、 _)      ノ  /
     ゝ.  `ー'    _ <  /  吉乃!でかしたお!
      >,ー一 ""   ,/
   , <´ /         /
   1  _ イ        |
     ̄_i          ∧
     .´              `ー-.
    i     r‐- -‐、       i
    ゝ、_i      `ー─一'
    織田信長(通称:やる夫)

363 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 20:59:17 ID:7p4FFZvc

                _   _,
             ___,> Y´'ー-、
            _>z二_ ___`ー≧__
            >┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
           /        ヽ `Y′之> ……吉乃、がんばりました。
       .   /  ,  l、 、 , 、 |  ヽ }<
          l ,ィ {7Tハ T寸寸 |  }ノ |
          |ハ |(●) (●) / / ,/レ′   ……でも、出会って1年しか経ってないのに
            `|'''' ヽ ''''  「)'/|/         もう子宝に恵まれるなんて……
       グッ! ヽ、_ ▽  _,.ィT/ ニコッ
         n___l 7Eニ::ィ1│
        ミ__:::::::::::::::'イ/ヽ:::::`l┘
          吉乃(やる夫の側室)


      ____
     /_ノ ' ヽ_\
   /(≡)   (≡)\  そりゃ、やる夫があんだけ毎日通ったんだから無理もねぇお!
  / /// (__人__) ///\
  |     |r┬-|      | いや、めでたや!めでたや!
  \     ` ー'´    /

364 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 20:59:57 ID:7p4FFZvc

      ___,> Y´'ー-、
     _>z二_ ___`ー≧__
     >┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
    /        ヽ `Y′之>
.   /  ,  l、 、 , 、 |  ヽ }<
   l ,ィ {7Tハ T寸寸 |  }ノ |   ……確かにそうですね。
   |ハ |(ー) (ー) / / ,/レ′
     `|.xx ヽ  xxx 「)'/|/     ……で、この子の名前は何といたします?
     ヽ、_  ―  _,.ィT/
       l 7Eニ::ィ1│


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    んん……
   /( ●)  (●)\  !   !    
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l     よし!元気で丸太のような足を持つマッチョ紳士に育つように
  |     |r┬-|       |  /     
  \     ` ー'´     //       「奇妙丸」とかどうだお?
  / __        /
  (___)      /

365 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:00:24 ID:7p4FFZvc

         _   _,
      ___,> Y´'ー-、
     _>z二_ ___`ー≧__
     >┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
    /        ヽ `Y′之>
.   /  ,  l、 、 , 、 |  ヽ }<  ……イイ名前デスネ。
   l ,ィ {7Tハ T寸寸 |  }ノ |   (……この人のこういうセンスだけは
   |ハ |(三) (三) / / ,/レ′     未だに理解できない……
     `|   ヽ   u 「)'/|/
     ヽ、_  ―  _,.ィT/
       l 7Eニ::ィ1│


      ____
    /_ノ   ヽ_\  ……で、吉乃。
   /( ●) ( ●)\  奇妙丸も生まれたことだし、
 / ::::::⌒(__人__)⌒::::\  いい加減に清洲城に来ないかお?
 |        ̄      | 
 \               / ……奇妙丸は跡取りとして城で育てなきゃならんし……
                    この子と離れてもいいのかお?

366 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:00:48 ID:7p4FFZvc

        、-ー'`Y <,___
    __≦ー`___ _二z<_   ……ごめんなさい。
     > 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<   ……それは無理。
   <之′Y´/        \
     >{  ,'  | 、 , ,.  ,.l  ,  ゙i   ……いくらお濃様がお優しくても、
     | !、{  | 寸寸T ハT7} ィ,l       正室と嫡子の生母である側室が一緒の城に居るのは
     ′Ji, ゙i ゙i ( ー)  (ー)|ハ|         やはり色々と不都合が生じるから……
      i⌒ヽ'(1. '''  _'  ''' ノ川/⌒)
.       ヽ  ヽx>、(_.ノ__,イ l |::::ヽ/  ……それにお濃様なら、私よりも奇妙丸を健やかに育ててくれる筈。
       ∧ 人lハ:::::l,三|:::/l| ,:::::ハ 


       ,_   _
     、-ー'`Y <,___
  __≦ー`___ _二z<_
  > 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<   ……吉乃はこうして
 <之′Y´/        \    やる夫様が訪ねて来てくださるだけで幸せ。
   >{  ,'  |、 , ,.  ,.l  ,   i
  | !、{  | 寸寸T ハT7} ィ,l    ……それ以上は何も望みません。
  ′J゙i, ゙i ゙i ⌒    ⌒|ハ|
     ゙i|゙i'(1""  ー "ノ川
      │「ィ::ニE7 l

367 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:01:11 ID:7p4FFZvc

       ____
     /⌒  ー、\     まったく、吉乃は生真面目でいじらしいお。
   /( ●)  (●)\    ……そこが吉乃のイイとこでもあるけど。
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |     |r┬-/ '    |  まっ、この話はまたにして、
  \      `ー'´     /   今日はこれから政務が有るから、また後で出直してくるお。
                  ……産後なんだし、しっかり体を休めるといいお!


       ,_   _
     、-ー'`Y <,___
  __≦ー`___ _二z<_
  > 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
 <之′Y´/        \  ……ええ、それではまた後ほど……
   >{  ,'  |、 , ,.  ,.l  ,   i
  | !、{  | 寸寸T ハT7} ィ,l
  ′J゙i, ゙i ゙i  ー _ ー | ハ|
     ゙iTィ.,_   ‘-' _ノ
      │「ィ::ニE7 l
      └l´::::/ヽト

368 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:02:06 ID:7p4FFZvc

     、-ー'`Y <,___
  __≦ー`___ _二z<_
  > 7  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
 <之′Y´/        \
   >{  ,'  |、 , ,.  ,.l  ,   i ……ゴホッ!ゴホッ!
  | !、{  | 寸寸T ハT7} ィ,l      ゴホッ!ゴホッ!
  ′J゙i, ゙i ゙i( >)  (<)|ハ|
     ゙i|゙i'(1   Д  ノ川
      │「ィ::ニE7 l
      └l´::::/ヽト


       / ̄ ̄\
      /  へ    \
    .(●)(● )  u. |  やる夫様はお帰りに……
     | |   u   |
     . |___´_      |  って、吉乃!大丈夫か!
     {`ー'´     |
      {      u. /
      \     /
      ノ     \
   生駒家永(吉乃の兄)

369 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:02:39 ID:7p4FFZvc

      ___,> Y´'ー-、
     _>z二_ ___`ー≧__
     >┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 <
    /        ヽ `Y′之>
.   /  ,  l、 、 , 、 |  ヽ }<   ……ええ、大丈夫。
   l ,ィ {7Tハ T寸寸 |  }ノ |
   |ハ |(ー) (ー) / / ,/レ′    ……少し、胸が苦しくなっただけだから……
     `|   ヽ  u  「)'/|/
     ヽ、_  ―  _,.ィT/     ……それより、この事はやる夫様には秘密。
       l 7Eニ::ィ1│        ……心配をかけたくないから。


         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
        |   ( ●)(●)  ……それは構わないが……
       | u     | )
        |     __´___ノ   ……それよりいいのか?清洲城に行かなくて?
      .  |         }     今日もやる夫様は誘ってくださったんだろ?
 .       ヽ        }
        _ヽ     ノ     本当はお前も子供と一緒に傍に行きたいんじゃ……

370 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:03:10 ID:7p4FFZvc

      ___,> Y´'ー-、
     _>   `r‐   ≧__
     >イ    `     <   ……私はやる夫様のお荷物にはなりたくない。
    / >             >
.   / <   ,'          リ   ……それに、私のように病弱で何時消えるか解らないような人間は
   l ,ィ  ヽ ,/        } ノ       やる夫様や奇妙丸の周囲の人間の記憶にはあまり残らない方がいい……
   |ハ | |<ヘ,Y´入ノ リノ ,/レ′
     `| ノ     ...::/|/        
     ヽ、ゝ /  j.:./|/
        ,l:/ノルリハ:ソ
      ィ':::::::::::::::::`.:


         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
        |   ( ー)(ー)   吉乃……
       | u     | )
        |     __´___ノ
      .  |         }
 .       ヽ        }
        _ヽ     ノ

371 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:03:38 ID:7p4FFZvc

       ___
      /_)(_\
    /【●】 【●】 \ ……ばぶ。
    |⊃ (_,、_,) ⊂⊃ |
    >        ィ’
   奇妙丸(後の織田信忠)

こうして、やる夫の嫡男が誕生した。
この奇妙丸こそが後の織田信忠である。
そして、翌年には次男の茶筅丸(織田信雄)を
さらにその翌年には五徳姫をと実に3年連続で出産するのであったが、
これが元々体の強くなかった吉乃の寿命を縮める事に繋がるとは、この時のやる夫は知る由もなかった……

372 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:04:29 ID:7p4FFZvc

_______________________________________
  「美濃」                     ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,     :,,´、
                          ,,´      ::,,,,,,,,,::    :::::::
                         ::                 ::: 
                        ::                    :,,,,  
                       ::                       :,,,,
                      ::          ●岩倉            ::,,,,
                   ,,,::                              ::
     ,,,,            ::                               ,,,,
  ,,,,,,,,::  ::           ::         「尾張」                  ::
 ::      ::          ::          ●清洲                ::
::        ::         ::                             ::
         ::        ::                            ::
          ::       ::                           ::
           ::       ::                            ::
            ::  ::    ::                           ::
             ::  ::   ::                           ::
                ::  ::                           ::
                 :::: ノヽ          ノ´ ̄ノ´         ::
                   |ヽヽ〔〕 ~‐,       ノ´   ノ         ::    「三河」
                   | | |    ~‐,、,,_,ノ´    /         ::
                  ノ´ ー             |          ::
                  ノ   〇            ノ         ::
                 ノ                 |        ::
                 |                /       ::
                 ノ              /        ::
  「伊勢」            ̄ノ´            |         ::
                  ノ              |        ::
                 |               |        ::
                 ノ                ~‐,     ::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

岩倉城は尾張上四郡を支配するもう一人の守護代・織田伊予守信安の居城である。
だが、やる夫の時代には、その勢力は岩倉近辺に限られるまでに衰退していた。

373 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:04:58 ID:7p4FFZvc

1558年(永禄元年)その岩倉織田氏に内紛が起こる。
守護代の信安が長男の信賢に追い出されてしまったのである。


      γ⌒) ))
      / ⊃__
   〃/ / \  /\
  γ⌒)( ●)  (●) \ ∩⌒) チャンスは逃さずに出撃だお!!
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
(  <|  |   |r┬(    / / ))
( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)
               / /

やる夫はこれを好機と判断し総勢2000名での出陣を決意。
7月12日 清洲から北上し岩倉の北西の浮野にて
従兄弟の犬山城城主・織田信清と合流する為に待機する。
これを確認した信賢も岩倉城を3000もの大軍で出撃。
正午過ぎに、浮野にて両軍は激突した。

374 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:05:42 ID:7p4FFZvc

      γ⌒) ))
      / ⊃__
   〃/ / ⌒  ⌒\        戦に頭数なんて関係ないから~♪
  γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒)  
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ     ………ま、関係ねぇはずねぇけど。
(  <|  |   |r┬(    / / ))
( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)
               / /

ここでも、やる夫の軍は粘り強さを見せる。
激戦にこそなるものの、自軍よりも多い敵を相手に互角の善戦を繰り広げる。
そうこうする内に織田信清の1000名が到着、ここから一気に形成はやる夫側に傾く。
結局、城方を実に1250名も討ち取るというやる夫側の大勝利に終わり、
自軍の3割以上に被害を出すという壊滅的打撃を受けた信賢は岩倉城に逃げ帰る。
やる夫もこの時は深追いせずに、
岩倉城の包囲戦の準備に入ったのに止まったであった。

375 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:06:31 ID:7p4FFZvc

岩倉城攻めも順調に進んでいた、そんなある日のこと……

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/ ……勝家、それは本当かお?
|       (__人__) l;;,´|
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /

377 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:06:55 ID:7p4FFZvc

  i'`i               i'`i
  l::::i,            /:::l
  .!::::ヽ,. -─‐ ァ─、─-.、/:::::l
  ヽ:::::ヽ, -‐' ,;; ;;, `ー、;:;ノ:::::/
    l;;-';;-‐''" :: :: `ー-i゙‐-'!
   /`!:::  瓶  :割り ::::::::i゙ヽ  はっ!
   ! li;;;,,___ノヽ___;;;i |;, |
   l ( '〔 ● ,〕 〔, ● 〕' );.|  信勝様が御謀反の為に再び兵を集めていられる由にございます。
   i 'ヾ  ̄ ̄:: ::  ̄ ̄ /;; |
    ー';ヾ、_,'(´'';; ;;' `);_ノ;; r'
    |  /ヽ__`'ー'´__,ィヽ ノ
    ヽ ヾ、;レ-ニニ-レ// /
     ヽヾ、,、 _ ,、'/ /
      ヽ '、゙ニ=ニ' ゙ /
       ヽ、__ ___ノ
    柴田勝家(織田家の重臣)


        ____
       /    \
.    /          \ ……今回も林が裏で一枚噛んでるのかお?
.  /    ―   ー  \
  |    (ー)  (ー)  |
.  \    (__人__)  /
.   ノ    ` ⌒´   \
 /´             ヽ

378 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:07:48 ID:7p4FFZvc

  i'`i               i'`i
  l::::i,            /:::l
  .!::::ヽ,. -─‐ ァ─、─-.、/:::::l
  ヽ:::::ヽ, -‐' ,;; ;;, `ー、;:;ノ:::::/
    l;;-';;-‐''" :: :: `ー-i゙‐-'!
   /`!:::  瓶 ::割り ::::::::i゙ヽ   ……いえ、今回は同調する家臣も殆ど居らず、
   ! li;;;,,___ノヽ___;;;i |;, |
   l ( '〔 ● ,〕 〔, ● 〕' );.|   実質、信勝様お一人でのご計画かと……
   i 'ヾ  ̄ ̄:: ::  ̄ ̄ /;; |
    ー';ヾ、_,'(´'';; ;;' `);_ノ;; r'
    |  /ヽ__`'ー'´__,ィヽ ノ
    ヽ ヾ、;レ-ニニ-レ// /
     ヽヾ、,、 _ ,、'/ /
      ヽ '、゙ニ=ニ' ゙ /
       ヽ、__ ___ノ


..      ____
     / ―  -\
.  . /  (●)  (●)  ん、報告大儀だったお。
  /     (__人__) \
  |       ` ⌒´   | 追って指示を出すから、下がって休むがいいお。
.  \           /
.   ノ         \

379 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:08:13 ID:7p4FFZvc

  .!::::ヽ,. -─‐ ァ─、─-.、/:::::l
  ヽ:::::ヽ, -‐' ,;; ;;, `ー、;:;ノ:::::/
    l;;-';;-‐''" :: :: `ー-i゙‐-'!
   /`!:::  瓶  ::割り ::::::::i゙ヽ   
   ! li;;;,,___ノヽ___;;;i |;, |  はっ!
   l ( '〔 ● ,〕 〔, ● 〕' );.|  
   i 'ヾ  ̄ ̄:: ::  ̄ ̄ /;; |
    ー';ヾ、_,'(´'';; ;;' `);_ノ;; r'
    |  /ヽ__`'ー'´__,ィヽ ノ
    ヽ ヾ、;レ-ニニ-レ// /
     ヽヾ、,、 _ ,、'/ /
      ヽ '、゙ニ=ニ' ゙ /
       ヽ、__ ___ノ

380 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:08:37 ID:7p4FFZvc

..      ____
     / ―  -\
.  . /  (ー)  (ー)  (信勝……ついにやる夫の願いは、お前の心には届かなかったお……)
  /     (__人__) \
  |       ` ⌒´   | 
.  \           /      
.   ノ         \

        ____
       /    \
.    /          \
.  /    ―   ー  \ (いや……もう過ぎた事だお
  |    (ー)  (ー)  |   このうえはどう決着するかを考えるお……)
.  \    (__人__)  /
.   ノ    ` ⌒´   \

この後すぐにやる夫が死病だという噂が、尾張の一部でささやかれる様になる。

381 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:09:13 ID:7p4FFZvc

同年11月2日、信勝も勝家に促され、やる夫の見舞いに清洲を訪れた。

~やる夫の寝室~
..      ____
     / ―  -\
.  . /  (ー)  (ー)  ゴホゴホッ……
  /     (__人__) \
  |       ` ⌒´   | 信勝かお……?  
.  \           /      
.   ノ         \


                 ____
               /     \    ……はっ、信勝でございます。
             /  ― ,、 ― \   
            / ;;;(●)::::::(●);;; \ ……兄上、お体の方のお加減はどうでしょうか?
           |      __´___     |   
           \             /
            /          \
              織田信勝(やる夫の弟)

382 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:09:39 ID:7p4FFZvc
        ____
       /    \   うん……悪くないお。
.    /          \
.  /    ―   ー  \  ところで信勝……
  |    (ー)  (●)  |  
.  \    (__人__)  /  お前の方の調子はどうだお?……例えば謀反の準備とか。
.   ノ    ` ⌒´   \


                 ____
               /     \
             /U ─ ,、 ─  \  !!!!!!
            / ;;;(○)::::::(○);;; \   
           |      __´___  U  |   
           \              /     
            /          \

383 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:10:08 ID:7p4FFZvc

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;) 信勝……
/    (─)  (─ /;;/ 
|       (__人__) l;;,´|   お前は近臣にも見限られていて、行動が全部筒抜けになっているお。
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |    ……もう……諦めるお。
.\  "  /__|  |     
  \ /___ /


          ____
        /     \     ……そうですか。
      /  ノ    丶_ \   
    /   (一)  (一)  \   お体も健康そのもののようですし……
   |      __´___     |  
   \      `ー'´     /    ……どうやら潮時ですね。

384 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:10:31 ID:7p4FFZvc

       ____
    /     \
   /  ─    ─\ ………
 /    (ー) (ー) \
 |       (__人__)    |
 \     ` ⌒´   /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.


        / ̄ ̄ ̄ \     ……私は兄上を侮っていました。
      / ノ    ヽ \    礼を尊ばず、好き放題に暴れまわっている姿に侮蔑すら覚えていた。
     /   (ー)  (ー)  \   だが、そんな兄上が家督を継ぐことになった……
     |      __´ _    u. |   
     \        ̄    /   これは私が何とかしなければ弾正忠家が潰れてしまうと思いました……

385 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:10:59 ID:7p4FFZvc

           ____
         /     \
       /        \   ……しかし……それは私の驕りだったのですね……
      /  \    /  \   どうやら……父上が正しかったようです。
     |    (ー)   (ー) u |     今や、家臣たちは兄上を中心に団結しつつあり……  
     \      ´     /     ……かたや私は、お家の為と言いながら家中を引っ掻き回している……
     /      ̄ ̄    \     
                    ……結局、私は家督を兄上が持っていったのが面白くなかっただけなのかもしれない……


       ____
    /     \
   /  ─    ─\ ………
 /    (ー) (ー) \ 
 |      U(__人__)   | (信勝……そこまで解っていても……)
 \      ` ⌒´  /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.

386 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:11:37 ID:7p4FFZvc

          ____
        /     \
      /  ノ    丶_ \  ……兄上……最期に一つお願いがございます。 
    /   (●)  (●)  \  ……前の謀反で私に加担した連中もどうか重用してやってください。  
   |      __´___     |  
   \      `ー'´     /  彼等は、兄上が憎かった訳ではなく、ただ弾正忠家の行き先が心配だっただけなのです……


     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\  信勝……解っているお。
/    (ー)  (ー) \ 家臣たちの事は心配するなお。
|      U(__人__)  |   
/     ∩ノ ⊃  /  ……もう多くは語らんお。
(  \ / _ノ |  |  ……もし……もし、次に生まれ変わる事があったら……またやる夫と兄弟であったら……
.\ “  /__|  |   その時こそ……こんな殺し合い等せずに……仲睦まじい兄弟として暮らそうだお……!
  \ /___ /

387 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:12:00 ID:7p4FFZvc

                ____
              /     \
            / ⌒   ⌒ \   はい……その時を楽しみにしています。
           /   (⌒)  (⌒)  \ 
          |      __´__  ゚o  . |  ……それでは……おさらばです。
          \      `ー'´     /


       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \ ……勝三郎!
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /

388 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:12:20 ID:7p4FFZvc

    /⌒ヽ
  /   Θ\ ……はっ!
  (::::     (_)
  ヽ:::::   じ
   /::::   \
   |:::      |
   |::::   i_丿
池田恒興(やる夫の乳兄弟)


 ┌─┐[][] /〉.,┐◎
   ̄/〈   // | |
  く∧〉 〈/  .|_」     「7 「7
           [][] 「| レ .レ
              ノノ O O

389 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:12:42 ID:7p4FFZvc

           ____
         /:::     \
       /::::::::::     \   ……信勝……
      /::::::::::         \ 
     |:::::::::::::::         | 
    /⌒:::::::::      ⌒ヽ/
  ;/::::::::::::            \;  
  ;/::::::::::::::          \ ヽ; 

こうして織田弾正忠家の跡目争いは幕を降ろしたのであった。

だが、この事件はやる夫の心に生涯消えない傷痕として残るのである。

390 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:13:10 ID:7p4FFZvc

信勝の死去から数日後、林秀貞・柴田勝家はやる夫の元に呼び出されていた。

~清洲城・謁見の間~

           ____
         /       \
        /   ─   ― ヽ
      /    ( ●)  ( ●)'  さて……今日来て貰ったのは他でもないお
      |        (__人__)   |
      \       ` ⌒´  ,/  信勝の件の後始末だお。
      /      ー‐   ヽ

391 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:13:34 ID:7p4FFZvc

         /_/_,,,,,_:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
        _,〈;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;:; \:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
       i/``''''´ ̄ ̄`\;:;:\:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|  
      .,三>  ,r-‐-、    :;ヽ;:;:;\:;:;:;:;:;:;:;:;:| 
     、/゛:. : :"~゛"´ヽ   :ィ三\;:;:;\:;:;:;:;:;:|
    ィ。ヽノ ::,ィ。ヽ‐、..:. ヽ ゞ三:::::\:;:\:;:;:;|  
    ノ~''´  'ヽ=彡      |:ミミミヽ \:;:\| こ、今回の件は麻呂は知らないでおじゃりまする。
   /(  、..           リ:ミミミ ミ \__〉
   { i'゛¨‐-'` 、   (//)   .lリ:::ヾ´ ̄ヾ;; 彡
    、.ェェ、,,_  ヽ . : ::::    .: :|リ::ノ、ヽ ) ノ彳 
    iLLLLェェeイヽ  ''    リ彡`‐´/从'゙
    !、 ,,r‐ー‐) |   : : :::::!ツヽ-‐""彡シ
     l、(_,,../ /:: : :: ::::::::::::::::/"´彡
    !''‐-‐''´ ノ: ::  : :: ::::::.r''´;;;;-''
    i -‐' .:   : :-‐''",,,..//´/::ヽ.
    `‐ ..,,_,,,..r'''"´// ヽー-、


  .!::::ヽ,. -─‐ ァ─、─-.、/:::::l
  ヽ:::::ヽ, -‐' ,;; ;;, `ー、;:;ノ:::::/
    l;;-';;-‐''" :: :: `ー-i゙‐-'!
   /`!:::  瓶  :割り ::::::::i゙ヽ   
   ! li;;;,,___ノヽ___;;;i |;, |  ……
   l ( '〔 ー ,〕 〔, ー 〕' );.|  (林殿は相変わらず見苦しいわい……)
   i 'ヾ  ̄ ̄:: ::  ̄ ̄u/;; |
    ー';ヾ、_,'(´'';; ;;' `);_ノ;; r'
    |u /ヽ__`'ー'´__,ィヽ ノ
    ヽ ヾ、;レ-ニニ-レ// /
     ヽヾ、,、 _ ,、'/ /
      ヽ '、゙ニ=ニ' ゙ /
       ヽ、__ ___ノ

392 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:14:02 ID:7p4FFZvc

           ____
         /       \
        /   ─   ― ヽ
      /    ( ー)  ( ー)'  ……安心するお。
      |        (__人__)   |
      \       ` ⌒´  ,/  そんな事は誰も疑っていないお。
      /      ー‐   ヽ   


               /㍉;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ィ彡三三i
                l三`ー 、_;:;:;:;:;:;:j;:;:;:;:;:;:_;:;:;_;:〟-三三三三三l
               l三  r=ミ''‐--‐';二,_ ̄    ,三三三彡彡l_
              lミ′   ̄    ー-'"    '=ミニ彡彡/‐、ヽ そ、そうでおじゃりますか。
                  l;l  ,_-‐ 、    __,,.. - 、       彡彡彳、.//
                   ∥ `之ヽ、, i l´ _,ィ辷ァ-、、   彡彡'r ノ/ ……これは取り乱して失礼致しましたでおじゃりまする。
               1     ̄フ/l l::. ヽこ~ ̄     彡彳~´/
                 ヽ   ´ :l .l:::.         彡ィ-‐'′  
                ゝ、  / :.  :r-、        彡′
              / ィ:ヘ  `ヽ:__,ィ='´        彡;ヽ、   
          _,,..-‐'7 /:::::::ヽ   _: :_    ヽ      ィ´.}::ヽ ヽ、    
      _,-‐'´    {  ヽ:::::::::ヘ `'ー===ー-- '   /ノ /::::::ヘ, ヽー、
    ‐'"´        ヽ. \::::::::\ ー-‐‐'      /  //:::::::::::::}  ) `''ー-、  
 /            \ \:::::::::ゝ、___,,.. ‐ "   //:::::::::::::::l ,'     `''ー-、   
'´               \ ヽ、;:::::ヘ 、       //::::::::::::::::ノ /         ヽ

394 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:14:23 ID:7p4FFZvc

  ,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
  ,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
 ,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡  `゙゙''ー-、;:;/;;:;/
 ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡'   _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|     ……信勝さまの事はまことにお悔やみ申し上げまする。 
  彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄     `゙゙ー'  ;;;:|
.  彡i、ヾ ('  ヾミニ三'          __,,、 ....ノ   /
  彡ゝ `'' "  |ミミミ'            ,;'´ ,,  ァ'     今回の結果に至ったのには、やる夫様を信頼出来ずに、
   '彳`ー‐i  |ミミミ'          `゙ニシ'   |、ニ'
 --、/    i  |ミミ         .,,r‐''"   | ノ          信勝様を擁立しようとした麻呂の責任も重大でおじゃります。
 く'ノ    :i  ミミ         ´  ., '   |'
 、\     .l  ヾ            .ノ(_,,、.   |
 :\ヽ,   ヽ          /   `t‐一'      ……本当に申し訳ないことをしましたでおじゃりまする。
 ::::ヽ ヽ   `::.       ,; '      .:i
 :::::::ヘ ヽ    `::.        ''"⌒゙''一ノ
 ::::::::::ヘ.ヽ    ヽ、       ` ー'ーノ
 ::::::::::::::ヽヘ     `ー┬‐一;;''""´
 \、:::::::::ヽヽ      /::ヘ ) `゙'ー、_

395 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:14:55 ID:7p4FFZvc

  .!::::ヽ,. -─‐ ァ─、─-.、/:::::l
  ヽ:::::ヽ, -‐' ,;; ;;, `ー、;:;ノ:::::/
    l;;-';;-‐''" :: :: `ー-i゙‐-'!
   /`!:::  瓶 ::割り ::::::::i゙ヽ   
   ! li;;;,,___ノヽ___;;;i |;, |  ……まことに。
   l ( '〔 ー ,〕 〔, ー 〕' );.|   
   i 'ヾ  ̄ ̄:: ::  ̄ ̄ /;; |   拙者も同じ想いでございます。
    ー';ヾ、_,'(´'';; ;;' `);_ノ;; r'
    |  /ヽ__`'ー'´__,ィヽ ノ    本当に謝罪の言葉も見つかりませぬ。
    ヽ ヾ、;レ-ニニ-レ// /
     ヽヾ、,、 _ ,、'/ /
      ヽ '、゙ニ=ニ' ゙ /
       ヽ、__ ___ノ


           ____
         /       \
        /   ─   ― ヽ   ……ん。
      /    ( ー)  ( ー)'   
      |        (__人__)   |  信勝がな……最期にお前たちの事も
      \       ` ⌒´  ,/   十分に信頼してやってくれと願いながら死んでいったお。
      /      ー‐   ヽ   
                       ……だから、秀貞……勝家……お前たちにも
                           改めてやる夫を信じて付いてきて欲しいお。
                         ……死んだ信勝の為にも。

396 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:15:18 ID:7p4FFZvc

         ト、;;;;;;;;;;;;;;;` ` '' ー -- ‐ '' ";;;;;;;;;,:ィ;:;!
        ,';:``' ‐ョ 、 ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - '"l;:;:;:;:l  信勝様がそんな事を……!
        l;:;:;:;:;:;:;ミ   ` ` '' ー -‐ '"    ,リ;:;:;:l
        l;:;:;:;:;:;:;:ゝ   く三)   (三シ  `ヾ;:t、 ……腐っても、この林も織田家の家老にございまする!
       fミ{;:;:;:;:f'´   __ ,,.ノィリ!iヾ、.,,__  };f }
       l トl;:;:;:;:l  、,ィ或tュ、゙ミ:::::{,'ィt或アチ l:l,    今まで以上に、この身がお役に立つ限り、
       ゙i,tヾ:;:;:!  `ヽ 二ノ :::::::::ト ` ‐t"i´  l:l:f    
        ヽ`ー};:l    ) ) ,r':::::::::ヽ  ) )  リ_)      精一杯お仕えさせていただきますでおじゃりまする!
         `"^l:l   ( ( ,/゙ー、::::::;r'ヽ( (  l
           ゙i     )ノ    `'"   丶 )  ,'
             ゙l、  ( (,ィ─==─ヽ ( ,}/
            ',ヽ, ) )ヾ┼┼┼,シ' ) )ヽ
             } 丶( `゙==='′ /ノ:.:.:ヽ
            /l   丶、      ,.イ:.:.:.:.:.:.:.:丶、、
          ,r'"^l !    ` ー‐;オ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ノ  ,}、


  .!::::ヽ,. -─‐ ァ─、─-.、/:::::l
  ヽ:::::ヽ, -‐' ,;; ;;, `ー、;:;ノ:::::/
    l;;-';;-‐''" :: :: `ー-i゙‐-'!
   /`!:::  瓶 ::割り ::::::::i゙ヽ   
   ! li;;;,,___ノヽ___;;;i |;, |  ……ははっ!
   l ( '〔 ー ,〕 〔, ー 〕' );.|  
   i 'ヾ  ̄U :: ::  ̄ ̄ /;; |  この柴田勝家も、信勝様への償いと想い、
    ー';ヾ、_,'(´'';; ;;' `);_ノ;; r'     この身が砕けようとも、やる夫様にご奉公致しまする!!
    |  /ヽ__`'ー'´__,ィヽ ノ
    ヽ ヾ、;レ-ニニ-レ// /
     ヽヾ、,、 _ ,、'/ /
      ヽ '、゙ニ=ニ' ゙ /
       ヽ、__ ___ノ

397 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:15:52 ID:7p4FFZvc

        / ̄ ̄\
       / ヽ、_   \ ……
     . ( (● )    |
     . (人__)      |  (やる夫……柴田様はともかく、林様の事は本当に許せたのか……?)
     r-ヽ         |
     (三) |        |
     > ノ       /
    /  / ヽ     /
   /  / へ>    <
   |___ヽ  \/  )
       |\   /|
       |  \_/ |
一雲斎針阿弥(通称:やらない夫)

この時、やらない夫だけが、やる夫の瞳の奥に微かに燃える憎しみの炎を見て取った。
この炎はじつに20年以上の時を経て、林秀貞に帰ることになる。

ともあれ、この後、若手の台頭する織田家の中核からは、林秀貞とその一党は急速に離れ影響力を失っていくものの、
二度とやる夫に叛意を持つ事無く、秀貞は22年後に織田家を追放されるその日まで仕えるのであった。
また柴田勝家は、この後も順調に活躍し、若手の台頭するなかにおいてもその存在感を増していくのである。

398 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:16:43 ID:7p4FFZvc

1559年、3ヶ月にも及ぶ包囲戦の後に岩倉城も無事に攻め落とし、
尾張の大部分を手中に収めたある日のこと……

     ____
   /      \
  /  ─    ─\  ……今夜はどうやってお濃から逃げて
/    (●)  (●) \         吉乃の所にしけこうもうかしら……
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  / ……ん?何やら騒がしいお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

399 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:17:18 ID:7p4FFZvc

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、  て
             / /" `ヽ ヽ  \ て
         //, '/  米  ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{\    /リ| l │ i|  た、大変だにょろ!
         レ!小l●    ● 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│  一大事だにょろ!
        /⌒ヽ__|ヘ U ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
         丹羽長秀(やる夫の家臣)


       ____
     /⌒  ⌒\ ホジホジ
   /( ●)  (●)\  万千代、どうしたんだお?
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |    mj |ー'´     | 万千代用のスモチの備蓄でも切れたのかお?
  \  〈__ノ       / 
    ノ  ノ

400 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:17:40 ID:7p4FFZvc

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{  米   リ| l.│ i|  いや……そこまで深刻な話じゃないにょろよ?
         レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|
          ヽ|l ●   ●  | .|ノ│  ただ、利家が拾阿弥とかいう同胞衆(やる夫の身の回りのお世話係)を
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |
          | /⌒l,、 __, イァト |/ |   SA・TU・GA・Iしてブッチしただけにょろ。
.          | /  /::|三/:://  ヽ |
          | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


          ____
        /      \
       /  ─    ─\  ハハ、ナンダソンナコトカ。
     /    ⌒  ⌒  \
     |       ,ノ(、_, )ヽ    | ………………
      \      トェェェイ   /
       /   _ ヽニソ,  く

401 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:18:11 ID:7p4FFZvc

       /´〉,、     | ̄|rヘ
 l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
  二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
                (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
             ____             `ー-、__,|    `"        .
           ;/   ノ( \;
          ;/  _ノ 三ヽ、_ \;   な・ん・だ・っ・て~!?
        ;/ノ(( 。 )三( ゚ )∪\;
       ;.| ⌒  (__人__) ノ(  |.;
       ..;\ u. . |++++|  ⌒ /;

402 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:18:33 ID:7p4FFZvc

     |┃      
 ガラッ. |┃         / ̄ ̄\
     |┃  ノ//    /   _ノ  \
     |┃三      |   ( ●)(●)  おお、先に五郎左が説明に来てましたか。
     |┃       . |    (__人__)
     |┃        |     ` ⌒´ノ   なら、話は早いですな。
     |┃三     .  |         }
     |┃三     .  ヽ        }
     |┃三        ヽ     ノ
     |┃三        .>    <


        ノ L____
       ⌒ \ / \
      / (○) (○)\   や、やらない夫に与三!どういう事だお!?
     /    (__人__)   \
      |       |::::::|     |  犬千代がやる夫を裏切ったのかお!?
     \       l;;;;;;l    /l!| !
     /     `ー'    \ |i  やる夫に何の恨みが有るお!?
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ <
               レY^V^ヽl

403 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:18:59 ID:7p4FFZvc

               _,.-‐::────::-.、
             ,ィ´ : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ、
              /: : : : : :| : : :| : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
         / : : : : / : :;|.:.:.:.:|.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  と、殿!落ち着いてください。
         /:.:.:./:.:.:.:/:.:.:/:|:.:.:.::|:.:/|:.:.|::∨:.:.::|:.:.:.|
       /'´7:|:::|:.:.:.:チ==::|:.:.:.:.|/:::|=:|=V:.:.|:.:.:.:|  又左(利家のこと)は殿に遺恨を持っていた訳でも、
        /:|:.::|:.:.:.:.|:/:::::::∨:.:.|::::::ヽ:|::::::∨:j:.:.::.|
        j:.;|:.:|:.:.:/:´::::::::::::`ヽ|:::::::::::::・:::::∨:.:.:.|   裏切った訳でもありません。
        |/|:.::|::/ :: :: :: ::ノ:: :: :: : :: :: ::'":: :i'´ }:|
          |:.:|ハ : : : : :'〈 、゛: : : : : : : : :;ハ_,ノ:|
            |:.:.:ハ     r-‐‐、       /|:/ヽ:|
          |:;ハ::j、    i:::::::::::ヽ.   / |'
           ´  `ヽ、  |:::::::::::::::ヘ.  /::: |
               ヽ、.|_;;;;;;;;;;;;;_,〉,/::::;' :|ヘ、
                 `ーァ--‐ '"::::;' /  \
             森可成(やる夫の重臣)


           ,. -‐'''''''''''''''""¨¨¨ヽ
           (.___,,,,,,,,........ -ァァフ|
            |i i |     }! }} //|
           |l、 {    j} /,,ィ//|   あ…ありのまま 起こった事をはなすにょろ!
          i|: !ヾ、_____ノ/ u {:}/|
         //, '/u     ヽハ  、 ヽ    『拾阿弥が利家のモノを盗んだら斬られてた』
         〃 {_{\ 米  /リ| l │ i|
         レ!小l●   u ● 从 |、i|   な…何を言っているのか わかないかも!と思うけど
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   わたしも何がおきたのかわからなかったにょろ!
        /⌒ヽ__|ヘ u ゝ._)  j /⌒i !    詭弁とか勘違いとか
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│   そんなチャチなもんじゃあ 断じてなかったにょろ!
        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |    めがっさ恐ろしい正論の片鱗を味わったにょろ!
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

404 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:19:28 ID:7p4FFZvc

     ____
   /      \
  /  ─    ─\  ……大筋は解ったけど、
/  U (ー)  (ー) \  
|       (__人__)    | もう少し詳しく説明してくれないと詳細が分からんお。
./     ∩ノ ⊃  / 
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


             _,.-‐::': ̄:.:.:.:.:.: ̄:.:`ヽ、
           ,.イ´.:.:. : : : ::.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.:.:.:.:.:.\  ……どうも、拾阿弥の奴が嫌がらせで又左の刀の笄(こうがい)を盗んだらしいんですが、
          /: : : : : : :.:.:.:ィ|:.:.:.:.:.:.:....: : : : : : : ハ   それが又左にバレて問い詰められたようです。、
        /;/:.:./:.:./.;:.:.:/' |:.:.:.:.:|:./∨:.:.:|::.: : : :}
         '"/:.:.:./:.:.::|::.|::/、 |:.:.:.:::|:|  V::.:|i:.::.:.:.:|  すると「物を盗まれるような不心得物がバサラ者とは片腹痛し!」と
        j:.:.:.::|.:.:.::|:.:,|/ヾ_シ∨:.::|:jヽ彡|::|'|::.:.:.::|   開き直って逆に又左を罵倒したとのこと。
        |∧::|:.:.::::|;/   _, ∨:.:|' ,,  |/ |::.:/::j
          `|:.::::/:::}, ≡≡, iヽ:|、≡≡.|:/:;/  又左も、これにはとうとう堪忍袋の緒が切れて……バサリ!
            |::;/〈 ト、 ´  |  ` `   r'´_,〉    ……拾阿弥を斬り殺した……という事らしいです。
            '"  `~l、     ``     ,/:7´
               |:::ヽ、 、,.ヘ ,   /::/
                 V:::::;ヽ、,,_,,,/:/∨
            ,.-─--,.ィ´{;〉   〈、::`ヽ-─-.、
           /´    i| :| λ-、 ,-} }     ハ

405 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:20:02 ID:7p4FFZvc

     ____
   /      \
  /  ─    ─\  拾阿弥の奴……日頃、目を掛けてやっていたのに、
/    (ー)  (ー) \
|       (__人__)    | それに増長して馬鹿な事をしたもんだお。
./     ∩ノ ⊃  / 
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


     ____
   /      \
  /   \  /.\  ……しかし!犬千代の奴も許せんお!
/    (●)  (●) \ 拾阿弥もやる夫の家臣なのだから、
|       (__人__)    | まずはやる夫に報告して裁断を仰ぐべきだったお!
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |   それに、斬った後に逐電して逃げたのも気に入らんお!
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

406 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:20:24 ID:7p4FFZvc

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、ガク …
      / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/ 米   ヽハ  、 ヽ {
  ; 〃 {_{\  u /リ| l │   i ;  で、でも、たぶん利家も悪気があった訳じゃないにょろよ?
    レ!小l●    ● 从 |、 i| .
    ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ │;   きっと、あいつは馬鹿で根がチキンだから
     | 八   {  }  _l /ノ   !    斬った後に事の重大さに気がついて逃げちゃっただけにょろ。
   ;: | lr'⌒)、._ ̄_ (´ j //  i | {
ガク ….l/ヾ三} l___/{彡'´}   i | ;  殿にとっても馴染みの家臣なんだし、許してあげて欲しいにょろ……
   ;  |l   ノl |二//|   l  ,イl|
   ;  | ゝー' ∧! //∧__j / l | ;


        ____
      /      \
     / ヽ、   _ノ \     駄目だお!
   /   (●)  (●)   \    もし、ここでやる夫が情に流されて犬千代をお咎め無しにしたら、
   |      (__人__)     |    他の家臣たちへの沽券に関わるお!
   \     ` ⌒´     /ヽ
    /              \ ……犬千代には可愛そうだけど、犬千代の行動にも問題がある以上は
    (  ヽγ⌒)        ヘ   \  罰として、このまま織田家から追放を命じると伝えるお。

407 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:20:57 ID:7p4FFZvc

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \  __
         //, '/     ヽハ  、 ヽ   /
         〃 {_{  米 U  リ| l.│ i|   \  き、厳しい罰だにょろ……
         レ!小l\    / 从 |、i|  ̄ ̄
          ヽ|l ○   ○u | .|ノ│    
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |
          | /⌒l __, イァト |/ |
.          | /  /::|三/:://  ヽ |
          | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


..      ____
     / ―  -\
.  . /  (ー)  (ー)  (……たしか、犬千代は嫁さん貰ったばかりだった筈だお。)
  /     (__人__) \
  |       ` ⌒´   |  ……それと、やる夫はが「今回の事を帳消しにするぐらいの功を持ってこないと
.  \           /       とても許す事はできん!」と言っていたとも伝えるお。
.   ノ         \
 /´            ヽ

408 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:21:21 ID:7p4FFZvc

                  ____
           _,..-‐'":: ̄ ̄:.:.:.:.:.:`ヽ、
        ,.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ヘ   (!!!!
       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.::.',:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ    と、いう事は、功を挙げてくれば帰参も許してくれるという事か!)
     ,ィ´:.:.:.:.:.:/:.:.:./.:.:.:/:.:/|:.:.:|_:_:.:.:.:.:ハ::.:|
     〃:.:.:.:.:::/:__:.;ハ:.:..:|:;/ゞ彡|"i:.:.:|、:.:.}:.:|  わ、 解りました!又左に殿の御言葉、しっかり伝えてきまする!
      /:.:.i::.:.:::j::ヾ/ゞ|:.:.:|'  |::/ |:.:..|::∨:.:|
    j;/|:.:.::::|:.:/  |:.:/  ミニニシ'|:.:.:|;/ヽ::|
      |:.::i:::|;/彡,"/`  `   ・,'|:.:.|、_ソ:|
      j;/|::::;ハ  ヽ '      ∨::.:.:.::リ
        |;/ }   ,-:‐'ヽ   、/{:/ヽ;/
          ヽ、  ∨__,,ノ  ,/::{__
           }`)ヽ、`/,),,/: : `ハ_
           j } //: : :/:  / /"`ー-、_
          ノ '"´  ̄〉: :  ,/ /   ,   `>


             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、  て
             / /" `ヽ ヽ  \ て
         //, '/  米  ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{\    /リ| l │ i|  か、可成殿、待つにょろ!
         レ!小l●    ● 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   あたしも一緒に行くにょろ!
        /⌒ヽ__|ヘ U ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……

409 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:21:47 ID:7p4FFZvc

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒) ……可成殿も、あんなに慌てて途中で転ばなきゃいいが。
. |     (__人__)
  | u   ` ⌒´ノ
.  |         } ……やる夫も殿様としての面子と家臣への配慮と大変だな。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |


     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;) まったくだお……。
/    (●)  (─ /;;/  犬千代も、もう少し考えて行動してくれれば
|       (__人__) l;;,´|    すぐに許してやれたものお……
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  | ……それから、犬千代が最低限の生活に困らないレベルでだけは面倒見てやってくれお。
.\  "  /__|  |
  \ /___ /

410 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:22:16 ID:7p4FFZvc

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \  
 |    ( ⌒)(⌒) 
. |     (__人__)  ……了解だろ。
  |     ` ⌒´ノ   
.  |         } 
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <


     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/ 
|       (__人__) l;;,´|
./      ∩ ノ)━・'/  ……今回の一件を機に、
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |        犬千代の奴も、もう一皮向けた武将になってくれるとイイんだけど……
  \ /___ /

これが世に云う「笄斬り」事件であり、前田利家はこれにより約2年に渡ってやる夫の元を離れ野に下る事になる。
後年、大成した利家はこの時期の事を指して、
「落ちぶれているときは平素親しくしていた者も声をかけてくれない。そのような時に声をかけてくれる者こそ真の友だ」
と言ったと伝えられる。

411 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:23:00 ID:7p4FFZvc

~同年・清洲城~

             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))
        /⌒  ⌒\ \
      /( ●)  (●)\ )  尾張も大部分を平定して統一間近だし……
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
    |    (⌒)|r┬-|     |   ここはいっちょ上洛するお!!
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/
    | | | |  __ヽ、    /
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |


   / ̄ ̄\    ━━┓┃┃
 /   _ノ  \      ┃   ━━━━━━━━ 
 |   (  ̄ )(_)     ┃               ┃┃┃  
. |     (__人__) ゚                       ┛  
  |     `ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚     
.  |     。≧       三 ==-
.  ヽ    -ァ,        ≧=- 。
   ヽ     イレ,、       >三  。゚ ・ 
       ≦`Vヾ       ヾ ≧

412 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:23:27 ID:7p4FFZvc

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |   ( ●)(●)   しょ、正気か!?
. |    (__人__)
  | u   ` ⌒´ノ  いくら尾張の平定が順調に進んでるって言ったって、
.  |         }
.  ヽ        }  今川も斉藤も健在なのに京に行くなんてどうかしてるだろ!?
   ヽ     ノ
   .>    <  


       ____
     /_ノ   ヽ_\   その尾張の平定が迫ってるからだお!
   /( >)  (<)\  
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  ……極端な話、今のやる夫の立場は、守護代ぶっ殺して簒奪した室町幕府への謀反人に近いお。
  |     |r┬-/      |   
  \     ` ̄'´     /  だからこそ、正式に「尾張守護」のお墨付きを貰って来て、統一への大義名分を補強するんだお!

413 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:24:06 ID:7p4FFZvc

      __     ━┓
    / ~\   ┏┛  しかし……
  / ノ  (●)\ ・    それは、今のこの時期にあえて危険を冒してまで手に入れなければならないモノなのか?
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \    俺の情報網じゃ、幕府は殆ど機能不全に陥っていて、実権は三好長慶や松永久秀に移ってるとも聞くし
  \          |     朝廷にいたっては、官女が夜な夜な男の袖を引いて夜鷹の真似事で公費を賄ってるとも、
    \       /      童にも馬鹿にされるまで落ちぶれているとも聞くぞ?
.      \  ⊂ヽ∩
      /´    (,_ \.      官位なんかも自称がまかり通ってるし……(と、やる夫の「上総介」も自称だったな)
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ     ……今さら気にしなければならない程の権威が有るとも思えんが……
    (  y'      .|

415 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:24:45 ID:7p4FFZvc

       ____
     /⌒  ー、\  ……やらない夫、確かに幕府や朝廷の権威は、
   /( ●)  (●)\   
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\   耳の聡い京の周辺じゃ地に堕ちてるけど、
  |     |r┬-/ '    | 
  \      `ー'´     /    尾張のような田舎じゃまだまだ健在だお。
                 


    / ̄ ̄ ̄\
  /        \  ……それに大義名分は重要だお。
 /    ─   ─ ヽ
 |    (●)  (●) |  民衆に限らず、大部分の人間は権威のある「お墨付き」って奴に弱いもんだお。
 \  ∩(__人/777/   だからこそ、思わぬ所から尾張の統治に文句を付けられないように
  /  (丶_//// \    今の内に手を打って置くんだお。

417 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:25:26 ID:7p4FFZvc

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)   う~ん、そうかぁ……
. |     (__人__)   まぁ、確かに何かの間違いで「朝敵」なんかにされたら
  |     ` ⌒´ノ     面白い話ではないしな。
.  |       nl^l^l  
.  ヽ      |   ノ   そういう意味じゃ、今、正式なお墨付きを貰って置くのも
   ヽ    ヽ く      後々に生きてくるのかも……
   /     ヽ \


  _∩
 / 〉〉〉
 {  ⊂〉     ____
  |   |    /⌒  ⌒ \ 理解が速くて助かるお!
  |   |  /(●)  (● ) \ 
  |   |/:::⌒(__人__.)⌒:::  \  ちゅうことで……
  ヽ   |     |,┬‐ |       |   献上品やら護衛やらの準備が出来次第出発だお!!
   \.\   `ー ´     /
     \       __ ヽ  派手に着飾って、京の連中の肝を冷やしてやるお!
      ヽ      (____/

こうして、やる夫は室町幕府の13代将軍・足利義輝に謁見する為に京へと旅だったのであった。
このやる夫の自身の行動に一定の合法性を求める傾向は終生変わらず、
その統治でも、旧来の法や慣習を大きく逸脱することは殆ど無かったと云われる。

418 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:26:01 ID:7p4FFZvc

         /       i、
         /!       iヘ
        / i   _,,、、,,_  l ヘ
        / レ ´ ∧  `ヘi: ヘ
       〈 : \,,/ ヘ_,,/ : 〉
        /\ ` 、 ,'   ',,  "/ ',            ふふふっ……何時もの3倍キまってるお……
       /   \_/i   iヘ_/  : ',
       l    /〈ヘ /〉\  :  i            ……自分でも恐ろしい程に……
      |  /   ヘ | /   \i:  l
     i ノノ>-、,,_ ∨ _、-ーヘヽ、 i
     / /<  ̄ ヽ>''</ ̄ >\\i
   //!  `ー- ´ ― `ー ´   |\\
  //.  |´ ̄ ̄ (__人__)  ̄ ̄`| `\           
       \              /             .,,,ーーー‐‐'''''' ̄ ̄ ̄"""""ヽ
       γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽーー--、___,.--‐ー'                  ヽ
       / 彡⌒~~⌒/ """ミ ヽ   " -: ,,                        \
      (    ^`ー-ー- 、:, _    )      `ー‐‐;'''''''''' ̄ ̄''''''‐‐---'ー''''''''' ̄ ̄''''''‐‐---'ー
       ヽー丶,-ー"     ̄ノ          ヽ -: ,,                   /
        ヽヾヘ、,, __, 、__rノ                  " '''‐‐-:, ,           (
         ヾヽ ゝ、__, 、_ア                          ̄ " '' ‐‐,.,    ヽ
           ヽ.=┬─┬-) " '''‐‐-:,                           " -  ヽ.,
       .    ) 、ゝ,  ゝ、|       " ' ' ‐‐                       ,,-ー"

419 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:26:22 ID:7p4FFZvc

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( mn)(mn) ……
. | ////.|  |人|  |   (……このアホなセンスだけは
  |    |  |⌒|  |        ちっとも直らんだろ……)
.  |     |  |. |  |
.  ヽ.   / / }  /  
   ヽ  / / ノ ノ  
   / ノ,,ノ    | 

その総勢は80名程で、皆、鮮やかな衣装にきらびやかな太刀を差し、非常に派手であったという。
京までの道中は危険なものが予想されたが、
幸いやる夫たちは何のトラブルも無く、無事に上洛する事が出来た。

420 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:26:46 ID:7p4FFZvc

~同年2月2日 将軍御所・謁見の間~

(*゚ー゚)織田信長様、お越しにございます。


            l|     ト、
          l |     ヽヽ.
         l |、 -‐lヽ-ヽヽ.   お初に御目にかかりますお。
         ,イ 」_  | ヽ._ヽヽ
       / └-...二|  ヽ/.゙l   織田上総介信長でございますお。
       l    ,. -ー\,,/. 、  l
      |   /____';_..ン、 |   本日は、お目通りが適いまして、この信長、
     /、./´<二> , 、<二ン ト!     望外の喜びの極みにございますお。
   / /,----─'(__人__)`ー、!
  <-‐''"|       ` ⌒´   |
    `''‐.\           /
.      ノ         \

421 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:27:12 ID:7p4FFZvc

       |   ̄ ̄ ̄´   |::::::|    (……覚慶と同じタイプの匂いが……)
       |__ ,____ _>i!r、   
       i!    }¨{    / ̄|7}    ……尾張より遠路はるばるご苦労。
       \__ノ \__ノ  |'/     織田家は先代より勤皇の志が厚いとも聞く。
          |       u  ノ_      それはどうやら信長殿も同じようで何より。
        \ ---    / }}_    
         入     //::::::}_     それにしても素晴らしい献上品の数々、
            /:::``-- '´-‐'::::::/: \    この義輝が幕府を代表して礼を申すぞ。
         |::::::::::::::l_v´_;:-‐'´: : : : ::\  
         |:::::::::::::/l::::::::::::::ノ: : : : : : ::`、
         |::::::::::::l_}:::::::::::/: : : : : : : : : ::ヽ
      足利義輝(室町幕府13代征夷大将軍)


            l|     ト、
          l |     ヽヽ.
         l |、 -‐lヽ-ヽヽ.
         ,イ 」_  | ヽ._ヽヽ  いえ、武士なれば幕府に、そして朝廷に忠を尽くすのも当然ですお。
       / └-...二|  ヽ/.゙l
       l    ,. -ー\,,/. 、  l  あのような金銀で喜んで頂けるなら、
      |   /____';_..ン、 |
     /、./´<二> , 、<二ン ト!  それだけで上洛した甲斐があったというものですお。
   / /,----─'(__人__)`ー、!
  <-‐''"|       ` ⌒´   |
    `''‐.\           /
      ノ          \
    /´      _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
    |    l  ( l / / / l
     l    l  ヽ       /

422 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:27:40 ID:7p4FFZvc

     ,─ ̄ ̄ ̄─ 、
   /  ───、  \
   | ̄ ̄    /     |     うむ。
  | _       \     |     信長殿の忠義、しかと受け取ったぞ。
 | ̄├| ̄ ̄|──\─、 |
 |_/ |__/     | /| |    して、願いの議の尾張の国主の件だが、
  / ヽ   〃    / //      尾張での実力も申し分ない様だし、
  |  __      /| /       何より、幕府としてもこれだけの心遣いを見せられては無下には断れぬ。
  \ |   ヽ      |/
   \ ̄ ̄      |         尾張は信長殿が守護となり、その手で平定し民草を安んじてやってくれ。
    \    /   |
      `┬┬───-┐
       ГT ̄ ̄ ̄ ̄|


            l|     ト、
          l |     ヽヽ.
         l |、 -‐lヽ-ヽヽ.
         ,イ 」_  | ヽ._ヽヽ
       / └-...二|  ヽ/.゙l
       l    ,. -ー\,,/. 、  l  ははっ!
      |   /____';_..ン、 |
     /、./´<二> , 、<二ン ト!  ありがたき幸せ!
   / /,----─'(__人__)`ー、!
  <-‐''"|       ` ⌒´   |  
    `''‐.\           /
.      ノ         \

こうして、やる夫は無事に尾張国主のお墨付きを室町幕府より得たのであった。

423 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:28:01 ID:7p4FFZvc

              ,,, -'''"""""""''-- ,__
            /    /,, __     `ヽ、
           /  ///      ..   ... ヽ
          / ,、i i  / /// /      'ヽ
         / i,,/ ``、ヽl i i  /  ノ ノ ノ /  ヽ
         /( i'   ..::::::``ii, , //ノノ/,; ',,,  ノノ   l   ん?
          iヽ/  ..::: :::     ) )    彡 彡'  |
         ;ミ!   :: ..: ::   /ノ    彡 _,, '  .ノ  ……何だ?あの面妖な兜被った三角饅頭は?
        ;ミi(((ii,、 : : :::: /.      彡 _,, ' .ノ
__,,, --------;ミlヽi_\((  O .:      彡  ノノ.ノ
::::::::::::::::::::::::::::::`| ''\u`、ミi、' i、_,,,,, -'''))) ヽン / ノ
_________::::::::::::::::::|    ̄~/ ミ `、ーu-';_,;;;;''' ),ノ) ノ、
    |:::::::::::::::::| .......:: / '~ :::ヽ ̄~~~  /__ノー'---、__
  .  !:::::::::::::: l| .: , ./、  、 :.     ..:;;/、  `::    ヽ
     i:::/ ̄'i | ::.ヽ ヽ ー'''' :     .::;i~ :: ::. ::
:..    ヽ :  ,i |  .~''- ,,,,___    ,;/`::..   :::__,, ----=
:::::::...   ヽ : i ::| .:"'' ..,,,     /i`:::::: .::::::./
\::::::...   \| :::|   :::     ,, -''"::: \ :::::::/
;;;;;;\:::::......  \:: `''- ,,_,, -''" .:_;;--''" \/;;;;,/   ::::::
;;;;;;;;;;;;\::::::...   ヽ、 :::::::::::: , -''"     ,::ヽ、/   :::::::
;:;;;;;;;;;;;;;;;;`'- ;,,__    `---<'~.........:::::::;;;'''ノ;;;;;;;;;;)::  :::::::::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''- ,,_______,,`-''''''''''''''//ノ);;;;;;/ ::::::::::::::::::
     長尾影虎(越後の大名・後の上杉謙信)

やる夫と時期を同じくして、越後の雄・長尾影虎も足利義輝の要請で2度目の上洛を果たしていたのであった。
この時、影虎は越後から5000もの兵を連れて来ており、朝廷より従四位下近衛少将に任命されたのである。

424 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:28:30 ID:7p4FFZvc

___________________________________________
      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,   
         `、||i |i i l|,     
          ',||i }i | ;,〃,,     よいか!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ 
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ    北条勢は飢えても、上杉は飢えぬ!!
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

この長尾影虎は武田信玄との因縁もさる事ながら、この2年後より都合8度も行われた関東出兵で、
その勇名と恐ろしさを中央にも大いに轟かせる事となるのである。

426 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:29:04 ID:7p4FFZvc

            __ .____
          , ‐´:::::::,`',,''     `‐、
         /;;;;;:::::;;, /';'     ,゙゙'::::::::\
       /:::;;;;;ミミ; /      `゙';;:::::::::::ヽ     あれは……恐らく尾張の織田信長殿ではないかと。
       /;;;;;';ミミミツ/;;;';';'';'';;''ヾ,'::::`::::::::::::::::}
      /:; ;::,__、,_____,:;:::. ;::::::::::::;'i      大方、何か幕府に願いの議でもあって来たのでしょう。
      i::; ;;::i          ゙|::'::. ;__;,-',‐;
      /;; ,: :{──────‐‐{;;;::, ;:ヽ‐'´::::ヽ
     /:. ;;':{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{:::: ::::`;::. `::::;゙i
     i;;, '' ,;:|____,..、____゙l;;,_ :::::. :::, :::::i゙  
      /,,;'::';:l;`‐゜‐';i ;;;;;`ー゜‐';;;;;|:: `; `;;;::::`:::゙i   
      'Y ;:::::゙i  ::::::l        {;;;_ ゙'゙゙:::::,';:: ::゙-,  
.      / ,;; ';:゙i ::::::l         |::゙'';;;;.:.::::`;::.`::;;ゝ
      `'i;; ';:::゙i :::{__,,,ゞ ,    ,|;, ::;;;;`''::;':::`::::;;ゞ、_
.     _,‐´`ー!、 ;゙i, ¨ニニ ̄   ,‐':{:::';::::'::::::::',,,'''';;;;'    ̄ ̄
.   /   /`i; ;::゙、 '''    _,‐'::::::{;;;;:`;::.:::::::::;;ヾ_,,゙
  /    / / `i;:::゙;,_  ,,/:::::::  /`'';;:. ;;;;:ヾ ''''
       /  |  ゙ ソ;;''' ̄:::::::::::   i゙::::::' .::::'''ヾ
        直江景綱(上杉の重臣)

427 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:29:41 ID:7p4FFZvc

              ,,, -'''"""""""''-- ,__
            /    /,, __     `ヽ、
           /  ///      ..   ... ヽ
          / ,、i i  / /// /      'ヽ
         / i,,/ ``、ヽl i i  /  ノ ノ ノ /  ヽ
         /( i'   ..::::::``ii, , //ノノ/,; ',,,  ノノ   l   ふん。
          iヽ/  ..::: :::     ) )    彡 彡'  |
         ;ミ!   :: ..: ::   /ノ    彡 _,, '  .ノ   なるほど、アレが噂の「尾張の大うつけ」か。
        ;ミi(((ii,、 : : :::: /.      彡 _,, ' .ノ
__,,, --------;ミlヽi_\((  O .:      彡  ノノ.ノ    見た限りでは噂通りのアホだが、その手腕は並のものではないとも聞く。
::::::::::::::::::::::::::::::`| ''\u`、ミi、' i、_,,,,, -'''))) ヽン / ノ      
_________::::::::::::::::::|    ̄~/ ミ `、ーu-';_,;;;;''' ),ノ) ノ、      今の時勢に落ちぶれた幕府に顔を出しているのも、無知ゆえか、それとも慧眼か……
    |:::::::::::::::::| .......:: / '~ :::ヽ ̄~~~  /__ノー'---、__
  .  !:::::::::::::: l| .: , ./、  、 :.     ..:;;/、  `::    ヽ   ……何にしても伸びる様なら、せいぜい武田相手の牽制にでも利用させてもらうとするか。
     i:::/ ̄'i | ::.ヽ ヽ ー'''' :     .::;i~ :: ::. ::
:..    ヽ :  ,i |  .~''- ,,,,___    ,;/`::..   :::__,, ----=
:::::::...   ヽ : i ::| .:"'' ..,,,     /i`:::::: .::::::./
\::::::...   \| :::|   :::     ,, -''"::: \ :::::::/
;;;;;;\:::::......  \:: `''- ,,_,, -''" .:_;;--''" \/;;;;,/   ::::::
;;;;;;;;;;;;\::::::...   ヽ、 :::::::::::: , -''"     ,::ヽ、/   :::::::
;:;;;;;;;;;;;;;;;;`'- ;,,__    `---<'~.........:::::::;;;'''ノ;;;;;;;;;;)::  :::::::::::

428 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:30:02 ID:7p4FFZvc

            l|     ト、
          l |     ヽヽ.
         l |、 -‐lヽ-ヽヽ.  ……
         ,イ 」_  | ヽ._ヽヽ
       / └-...二|  ヽ/.゙l   (……何か、スゲェ雰囲気漂わせてるオッサンが
       l    ,. -ー\,,/. 、  l         こっち見て睨んでるお……)
      |   /____';_..ン、 |
     /、./´<二> , 、<二ン ト!
   / /,----─'(__人__)`ー、!
  <-‐''"|  u    ` ⌒´   |
    `''‐.\         u /
.      ノ         \

429 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:30:21 ID:7p4FFZvc

~その日の夜~

       / ̄ ̄ ̄ \
     /       . \
    /  _ ノ   ヽ、_   \  ふぅ……何か御所じゃ、変なオッサンにガン飛ばされるし……
   .|   (ー)  (ー) .  |     
    \    (__人__) .  /    ……流石に疲れたお。
     /    `⌒´    ヽ
    ヽ、二⌒)   (⌒ニノ

430 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:30:44 ID:7p4FFZvc

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \    お疲れ様だろ。
 |   ( ●)(●)   
. |    (__人__)     スケジュール的にも考えて……
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }     しかし、すんなり許可が降りて良かったな。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <


     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)  
/    (─)  (─ /;;/  
|       (__人__) l;;,´|  まぁ、それ相応の額を献上してるんだから、降りてもらわなきゃ困るお。
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |    ……にしても、聞いていたよりずっと幕府の衰退は激しいお。
.\  "  /__|  |
  \ /___ /

431 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:31:07 ID:7p4FFZvc

     ____
   /      \
  /  ─    ─\
/    (ー)  (ー) \  現将軍の義輝公に限れば、流石は塚原朴伝(有名な剣豪)の皆伝を受けただけあって、
|       (__人__)    |  
./     ∩ノ ⊃  /    隙の無いなかなかの人物のようだったけど、
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |      御所には人の出入りが殆ど無く、幕府の中心地とは思えんほどの活気の無さだお。 
  \ /___ /


     ____
   /      \
  /─    ─  \   この分だと、朝廷の方も似たようなもんだお。
/ (●)  (●)   \
|    (__人__)      |   ……今のやる夫に京で出来る事はもう無いから、さっさと尾張に戻るお。
\   ⊂ ヽ∩     <
  |  |  '、_ \ /  )
  |  |__\  “  /
  \ ___\_/

432 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:31:27 ID:7p4FFZvc

       / ̄ ̄\
     /  ヽ、_  \
    (●)(● )   |  ……そうだな。
    (__人__)     |
    (      U   |   正直、今川の動きも気になるし、
.    {          |     
    ⊂ ヽ∩     く    今、京に居るらしい長尾影虎の兵も、
     | '、_ \ /  )
     |  |_\  “ ./     どんな動きするか予想ができんから早めに帰った方が良さそうだろ。
     ヽ、 __\_/

433 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:31:50 ID:7p4FFZvc

           / ̄ ̄\
         /  ー  ‐\   ……そんなのに絡まれんうちに早く尾張に帰るだろ!
         |   ( ●) ( ●)         さらわれて墓作りにでも従事させられたら堪らんからな。
         |     (__人__)           ……帝王的に考えて。
         |   )  ` ⌒´ノ
         |        }
       r⌒ヽrヽ,    }
      /  i/ | __  ノヽ        _____
     ./  /  /      ) __  .  / ー  ー\
     ./ /  /     //  \. / ( ●) ( ●)     ……しかし、あのオッサン
    /   ./     / ̄、⌒) /     (__人__) \     素手で10人は殺ってそうな雰囲気だったお。
    .ヽ、__./     / ⌒ヽ ̄  |       ` ⌒´   |
        r    /     | /  \     i⌒\   /     何を食ったら、あんな顔になるのやら……
      /          ノ    / ⌒ヽ, _.ヽ  .\/
     /      /    /   ./     |./ー、\   \
    ./    //   /i,        ノ    \^   .i
    /.   ./ ./  /、/ ヽ、_../   /      .  ヽ、__ノ
   i   /  / / | ./  //  /
   i  ./  ノ.^/  .ヽ、_./ ./ /
   i  ./  |_/      / /
   i /             ノ.^/
  / /             |_/

こうして、やる夫の1回目の上洛は無事に終了した。
尾張の情勢が気になるやる夫は、京都見物もそこそこに、
雨の降る中を強行軍で清洲へと戻っていったのであった。
尾張に戻ったやる夫を、すぐに織田家の一大転機が待ち受けているとも知らずに……

第5話 完

434 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:32:19 ID:7p4FFZvc
CAST

織田信長・・・・・・やる夫

一雲斎針阿見・・・・・・やらない夫

吉乃・・・・・・できない子

生駒家永・・・・・・できない夫

奇妙丸……ミニわる夫

織田信勝・・・・・・できる夫

柴田勝家・・・・・・般若面

林秀貞・・・・・・麻呂

丹羽長秀・・・・・・ちゅるやさん(涼宮ハルヒ)

森可成・・・・・・泉そうじろう(らきすた)

池田恒興・・・・・・プラナリ夫

足利義輝・・・・・・オンナスキー(神聖モテモテ王国)

長尾影虎・・・・・・サウザー(北斗の拳)

直江景綱・・・・・・アミバ(北斗の拳)

上杉家家臣・・・・・・聖帝隊(北斗の拳)

435 : ◆P3dFUnx0fI:2009/11/20(金) 21:34:36 ID:7p4FFZvc

以上で本日の投下分は終了になります。
毎度、お付き合いいただいてありがとうございました。

次の投下も明日の午後9時ごろにしたいと思います。

また、見ていただければ幸いですw

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